ゴー宣DOJO

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泉美木蘭
2016.1.18 02:38

ブリッジ・オブ・スパイの黒いジェット機事件

雪かきしてくれたうちのアパートの大家さんが神に見える・・・。

昨日、スピルバーグ監督の『ブリッジ・オブ・スパイ』を観てきた。
おもしろかったーっ!
東西冷戦時代のベルリンを再現してみたり、橋の上のシーンも……
やっぱりスピルバーグレベルの大作ってすごいな。
主役のトム・ハンクスはもちろんいいし、
ソ連のスパイ役マーク・ライランスも寡黙で謎めいた”あやしい外人”を
顔や佇まいからぷんぷん香らせていてとても良かった。

実話ということで、帰宅後は登場人物の実際の写真をネットで調べ、
物語をふりかえりつつ楽しんでいたのだけど、
劇中でソ連に撃墜されたアメリカCIAの偵察機「U-2」そのものが、
日本国内で事故を起こして目撃されていたという「黒いジェット機事件」
を知り、とても驚いた。

1959年、厚木を飛び立ったU-2は、燃料切れを起こして神奈川県の
藤沢飛行場に不時着。
たちまち米軍関係者がやってきて現場が包囲され、捜査に集まっていた
日本の警察は締め出されてしまった。
付近の多くの家族連れなどがこの「黒いジェット機」を目撃することに
なったが、日本の一般人であるにも関わらず、米軍による家宅捜索を受け、
米軍の守秘義務誓約書類にサインをさせられた
、と。
日本の領土に暮らす日本人なのに、いざとなると米軍様の言いなりにされ
てしまう。
まったく同じ性質の事件として、2004年の沖縄国際大学での米軍ヘリ墜落
事件が記憶に新しい。
このときも現場を封鎖したのは米軍だった。

現在まで延々、脈々と存在しつづけている、日本のこの姿。
今回のスピルバーグ映画の世界の裏側でも起きていたのか…。
日本は、一体いつになれば国家主権を持つのだろう。

泉美木蘭

昭和52年、三重県生まれ。近畿大学文芸学部卒業後、起業するもたちまち人生袋小路。紆余曲折あって物書きに。小説『会社ごっこ』(太田出版)『オンナ部』(バジリコ)『エム女の手帖』(幻冬舎)『AiLARA「ナジャ」と「アイララ」の半世紀』(Echell-1)等。創作朗読「もくれん座」主宰『ヤマトタケル物語』『あわてんぼ!』『瓶の中の男』等。『小林よしのりライジング』にて社会時評『泉美木蘭のトンデモ見聞録』、幻冬舎Plusにて『オオカミ少女に気をつけろ!~欲望と世論とフェイクニュース』を連載中。東洋経済オンラインでも定期的に記事を執筆している。
TOKYO MX『モーニングCROSS』コメンテーター。
趣味は合気道とサルサ、ラテンDJ。

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